過重労働と裁判

 最近の裁判の傾向としては、そもそも過重労働をさせていれば、裁判では会社側に不利になりやすい傾向があります。つまり、裁判では負けになりやすくなります。

 一応の目安としては、労災の基準と似ています。つまり、単月で100時間以上の残業、連続で月80時間以上の残業をしている場合は過重労働とみなされやすいです。

 それに加えて、「合わせ技」ともいわれるものがあって、たとえば、過重労働にパワハラが組み合わさっている場合には、企業側にはより一層不利になります。

 いわゆる「電通事件」もこれによって企業側ははじめて最高裁にで全面敗訴しました。

 

 


 月80時間や100時間の残業をしているところはざらにあります。だからといってそれが「通常の就労だ」というわけではありません。36協定では40時間強までと決まっていますので、いざとなれば、法定外の就労とみなされてしまいます。最近は少なくなりましたが、月80時間や100時間の残業を「通常の就労」だと思い違いをしている企業が時にあります。

 一般には、月80時間や100時間の残業をしていて体調不良やメンタル不全になったとしても、労災に持ち込まれたり、訴えられたりということはむしろレアケースです。霞が関の官僚でも月に100時間や150時間の残業をしていることもあります。

 でも、日頃からの健康に対する配慮や、不調になった際にはやはり配慮を講じることが必要です。