就労者の自殺者数について

 バブルが崩壊した頃と連動していると思われるのですが、自殺者数は平成9年から急激に増加して年間3万人台で高止まりを続けていました。それが平成21年ごろから減少に転じて、下がり続けています。平成27年には2万5千人を割り込んでいます。このように減少したのは、経済情勢が好転したこととも関係があると思われます。また急速な国際競争の激化やグローバリゼーションに対応したような、企業運営のあり方が順応してきたことや、過酷な就労環境にたいする国側からの規制も厳しくなってきていることなどが背景にあると考えられます。退職者に対する支援制度も増えてきました。

 さて、就労者に限った自殺者数の統計(下の図)をみますと、やはり平成10年頃から急に増えて、平成21年を境に減少に転じています。これも上の統計と同じような傾向が見られます。

 またこの図を見て特に顕著なのは、交通事故による死亡者数が著しく減少している点です。これは自動車の運転に関する規制が格段に厳しくなってきたことによるものとおもわれます。このように行政が主導していろいろな対策を講じる事は大変に良い結果をもたらす可能性が示唆されます。また労働災害による死亡者数も漸減してこの20年間で半分以下にまでなっています。これも行政側をはじめとした各種の対応策が向上していることが推察されます(製造業の中身が変化しているなどの他要因が複数絡んでいると思われます)。

 自殺者数も、いろいろな試み、対応策、規制強化によって更なる減少を是非とも目指したいところです。