疾病を会社側に告知しなかったことによる過失相殺について

 社員がメンタル不調など疾病を会社側に告知しなかった場合の責任の所在はどこにあるのでしょうか。

 やはり、会社側としては知らなかったことですから、その責任を持たされるわけには行きません。

 このような場合には、多くの判例では、過失相殺を認め、賠償額は大幅に減額されます。

 

 他方では、会社側も社員の健康状態の悪化があるのかないのかを把握することが求められます。義務化されたストレスチェックテストもそのために重要です。しかし、それだけやっておけば万全というものでもありません。


注 過失相殺とは

 

 過失相殺とは被害者が損害賠償請求をするとき、被害者にも過失があった場合、裁判所が被害者の過失に応じて損害賠償額を減額することを指します。 交通事故では、事故当事者の過失割合によって、被害者の、加害者に対する請求額が減殺されます。


 この過失相殺の判例としてたとえば平成26年の「東芝事件」があります。